遺言書

このような悩みはありませんか?

「自分の死後、相続争いが起きそうなので遺言書を作成しておきたい」
「相続人以外の人に財産を遺贈したいと、遺言書に書いておきたい」
「昨年、公証役場で作った遺言書を修正したい。どうすればいいのか」
「遺言書を作る際、遺留分に気をつけるよう言われたが、どこを注意すればよいのか」
「手書きの遺言書でも、法的に有効なのかを知りたい」

遺言書作成のメリット

遺言書を作成しておくことで、誰にどのように遺産を分けるのかが明確になり、相続人同士の争いを防ぐことができます。
遺言書は何度でも作り変えることができるので、作成しておくことで、安心して余生を過ごすことができるでしょう。
また、自分の財産の分割について希望がある場合は、遺言書によって、好きなように財産を分けることができます。
お世話になった人や可愛がっている人など、特定の人に多くの財産を分けたり、法定相続人以外の人や、社会や地域の福祉活動などに役立ててもらえるように遺産を残すこともできます。

遺言書の種類と違い

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、本人が遺言書の全文・日付・氏名を自筆で書き、書面に捺印をしたものをいいます。

メリット

  • 自分で簡単に作成することができる。
  • 遺言書の存在と書いた内容を秘密にできる。
  • 費用が掛からず、証人も必要ない。

デメリット

  • 専門的な知識がないと、形式の不備により無効になるおそれがある。
  • 死亡後に発見されなかったり、第三者に隠匿・改ざんされる可能性がある。
  • 家庭裁判所で遺言書の検認手続きをしなければならない。
  • 本当に本人が書いたものなのか争いになることがある。
  • 作成時に、遺言書の内容を理解できる判断能力があったのか争いになることがある。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証役場で証人2名の立ち会いのもと、本人が遺言の内容を話し、公証人がそれを書き記したものをいいます。

メリット

  • 公証人が本人の判断能力があることを確認しながら作成し、方式や内容の不備もない。
  • 公証役場で原本が保管されるため、紛失や隠匿、改ざんのおそれがない。
  • 家庭裁判所での検認の手続きが不要である。
  • 偽造が問題となることはない。
  • 病気で手を動かせない場合でも作成できる。

デメリット

  • 2名の証人が必要になる。
  • 公証人への手数料などの費用が掛かる。
  • 公証人に作成してもらうので気軽に作れない。
  • 遺言の内容と存在を完全に秘密にしておくことができない。
  • せっかく公正証書遺言を作成しても、後で書いた自筆証書遺言で簡単に取り消しができてしまう。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言内容を記載した証書を封じ、公証人と証人が署名・押印し、遺言書の内容を秘密にしておくことができるものをいいます。

メリット

  • 公証人が遺言の内容を確認しないので、秘密を確保することができる。
  • 偽造や変造されるおそれがない。

デメリット

  • 公証人が内容を確認することができないので、形式の不備のおそれがある。
  • 2名の証人が必要になる。
  • 公証人手数料などの費用が掛かる。
  • 家庭裁判所で遺言書の検認手続きをしなければならない。

遺言書の保管・検認・執行

遺言書の保管

遺言書は発見されなければ効力を発揮できないので、相続人がすぐに発見できて、隠匿や改ざんのおそれのない場所に保管しておくことが大切です。
公正証書遺言は公証役場に保管されているので、相続人に遺言書を作成したことと、公証役場の場所を伝えておくようにしましょう。
自筆証書遺言、秘密証書遺言は親族等に預けることもありますが、利害関係がある場合は隠匿や改ざんのおそれもあるので、第三者に保管してもらうようにしてください。

令和2年7月10日から、自筆証書遺言保管制度が始まりました。
この制度は、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に保管してもらうもので、遺言書の紛失や隠匿、改ざん、発見されないおそれなどの心配が解消されます。
また、この制度で保管された遺言書は、家庭裁判所の検認の必要がありません。

遺言書の検認

自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見した場合は、家庭裁判所に提出して検認手続きを受ける必要があります。勝手に開けてしまうと、5万円以下の過料に処せられることがあるのでご注意ください。
家庭裁判所では相続人の立ち会いのもと、遺言書が開封され、記載されていることを読み上げ、その結果を検認調書という公文書にします。
ただし、検認は遺言の有効・無効を判断するものではありません。

遺言書の執行

遺言の内容には、認知、遺贈、不動産の名義変更、推定相続人の廃除または取消しなど、実現するための行為を必要とするものがあり、それを行うのが遺言執行者です。
遺言執行者は、遺言で特定の者を指定することもできますし、遺言で第三者に指定を委託することもできます。
遺言に指定がなかったときや、指定された遺言執行者が辞退した場合は、相続人が家庭裁判所に遺言執行者の選任を請求することができます。
遺言執行者は誰がなっても構いませんが、高度な法律知識を要するので、弁護士などの専門家に依頼することをおすすめいたします。

© 弁護士 門倉洋平